「…………んっ、あっ!か、神田……んんっ!」
「…もっと、足上げろ、よ、モヤシ」

 

 闇の中で二つの肉体が絡み合っている。布団の上で白い髪と長い黒髪が交じり合っていた。神田に縋ろうとする指を神田はそのまま絡み合わせて押しつける。
「あ…や…はぁっ」
 誘う瞳に神田は我慢しなかった。アレンが一番望むものを与えてやる。


「あ…っ!ああーっ!あっ!」


 その唇を奪いながら、腰を揺すると、天井を蹴っていた足が神田の腰に絡みついた。それでも足りずに自分から腰を揺すり出す。
「モヤ…シ…お前、そんなにいいのか、よ」
「い…いい…もっと…も…っ」
 アレンの顎が仰け反る。神田は焦らすように力を抜いた。
「や……っ。神田ぁ…神田っ!」
「いいんだろ? 自分だけでイッてみせろよ、モヤシ」
「あ……っ、やだ……っ」

 

その時、襖がそっと開いた。だが、お互いに夢中の二人は気付かない。手が暗闇からスッと伸び、黄色いものを置いて、また闇の中に消えていく。

 

〔……え〜、準備いいです。どうぞ?〕
〔了解です。撤退して下さい。どうぞ〕

 

 離れを遠くに望む男達の大部屋には科学班の主立った面々が集まっていた。全員、受信装置とブラウン管を前に固唾を飲んで見守っている。 パッと映像が映った。

 

「あっ……んんっ、あっ!だ、駄目ぇっ、神田っ!こ、こんなのっ!」
「そうかよ、身体は嫌がってないぜ、モヤシっ!」

 

 素晴らしいナマの映像に拍手とブラボーの声が巻き起こった。全員、ビールととっくりを片手に鑑賞会が始まる。


「やっぱ生ライブは迫力が違いますね、室長」
「うん、これもティムキャンピーの映像機能と、ラビ君の何処でも忍び込みの併せ技のお陰だよね」
「にしても…すっげぇ、あの体位。彼女でもしてくんないよ、あんなの」
「やらしいなぁ、アレンたん。俺もあんな事してもらいてぇ」
「俺、神田の方がいい……」
「……ったく、こんな役得でもないとやってらんないよな、教団なんて」
「宴会後、麻雀も虚しいだけだもんね」


「ところで、ちゃんと払ってくれるんだろうね、俺の技術料さぁ」


 いつの間にか戻ってきて、肘附いて画面を見ているラビを、コムイは見下ろした。
「もう、ラビ君はしっかりしてるねぇ」
「いいじゃん。くっつくべき二人がくっついたんだし。ユウが荒れてるから何とかしてって言ったのあんただよ、コムイ。二割り増しにしてよね」
「ハハハ、君も悪い男だなぁ」
「笑って誤魔化そうたって、もらうもんはもらうから」
 ラビはバリバリと煎餅を食べながら映像を見入っている。
「にしても、ティム、もっと前に寄ってくれませんかねぇ。編集するなら、もっと嘗めるような映像が欲しいんですけど」
「無茶言わないでよ、エクソシスト相手にぃ。ズームないんだから。あー、これダビングするから予約する人〜」
 ハーイハーイと手が上がるのを熱心に数えるコムイを横目で見ながら、どっちが悪人だよと、ラビは溜息をついた。


(くっつくべき二人がくっついた、か)


 チェッと小さく舌打ちしてから、ブラブラと廊下に出る。

『ユウの事は好き。アレンも。これはホント』

「…そ。ホント」
 小さく呟き、ニヤッと笑う。二人がくっつこうと構わない。自分達が隙だらけだって、ちっとも解ってない二人だから。ラビは大きく背伸びをした。

(さて、どっちから遊ぼうかなぁ)

 ロード=キャメロットのような笑みを浮かべると、もう一風呂浴びようとタオルを肩に引っかけて歩き出した。

 



  三日後、黒の教団で高値で売買されていたダビングテープが押収され、六幻とアレンの左手の併せ技が炸裂したのは言うまでもない。

大人のエンド

 

お疲れ様でした。
これは某マナアレチャット(^^;でSさんと盛り上がった時のネタでした。初対面なのに、二人して深夜遅くまで画面 の前でへらへらしてました。
うちの神田なので、へたれですいません、Sさん!

この話はSさんに謹んで捧げます。

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