「世界で二人きり」




「…………あ……うっ!」
 エドは唇を噛み締めた。
 体の中にロイが食い込んでいる。チクショウと思ったが、悔しいからなのか、早くイキたいからなのか、もう解らない。どうだっていい。もっと乱暴に揺すぶって、あの部分を突いて、突きまくって欲しい。真っ白になりたい。
 何で会うたびにこんな事をやっているのか未だに解らないが、ロイに抱かれるのは気持ちいい。男に抱かれるなんてサイアクだと思うが、ロイに貫かれるのは心臓が轟く。
「んっんっんっ!」
 話すと『死んじまえ、クソ大佐』としか感想が出てこない。だが、一端抱かれると体が勝手に反応して、エドを置いてきぼりにする。彼の背中に取りすがって鳴いている。
 その事を思い出すと、最初ははらわたが煮えくり返った。案の定、大佐に指摘されて、もっと怒り狂った。だが、数日間、間を置いて改めて思い出すと、奇妙にそれが薄れている。自分は怒りやすくて、醒めやすいから、と、自分を納得させようとした。出来たと思った。だが、逢瀬を重ねるに従い、段々それが心底手応えのある感情とは違ってきている気がして、エドはその方が恐ろしくなり始めている。
 アルといる時はアルの事だけ考えているのに、大佐といると大佐の事ばっかりだ。ロイが何かにつけ絡んだり、からかったり、揶揄したりするからだろうか。考えたくなくても、大佐に絡まれると反応してしまう。子供っぽいと自覚しているが、どうにもならない。
 気付くと、大佐を目で追っている。指を、唇を見つめてる。通り過ぎる姿にも耳を澄ませている。
 自分はどうしてしまったんだろう。
 自分が器用でない事は知ってるし、許容範囲も狭い事も解っている。自分が抱き締められるのは、いつだって一人が精一杯。
 だったら、何でこんな分裂症みたいな事を繰り返して平気でいられるのか。
 だから、余り考えたくない。自分に一番大切な事はアルを元に戻す事だけだ。他の事なんかどうでもいい。自分の感情すらどうだっていい。どうせこんな行為は何も生まないから、快楽だけに没頭する。大佐だってその筈だ。二人して、何万匹の精子を無駄 に殺してきただろう。
 お互い黙っていると、部屋中、電気のようなものがビリビリきて、視線も合わせられなくて、何となく落ち着かなくて、それでこんな事をしているだけなんだ。
「ああっ!!」
 足りなくて、満たして欲しくて、薄目を開ける。ロイが自分を食い入るように見ている。苦しくて、切なくて、唇を開いたが、言葉にならない。途端にグッと足を一層持ち上げられた。より深くロイが食い込んでくる。
(ああ………)
 望んだものに満たされて、歓喜が脳を貫く。エドは体を仰け反らせた。ロイが抱き締めてくる。二人して、小さな死に向かって邁進する。
 何も考えられない。
 やっと声を上げて達した時、シーツに何度も顔を擦り付けて、腰を高く上げている自分の格好はすっげぇ格好悪ぃとぼんやり思った。




「はぁ〜〜ぁ」
 エドは深い吐息を吐いた。ロイがうなじに顔を埋めて、まだ 彼の上に乗ったままだ。
 何度もやったから疲れて、動けない。キスした時点では今日こそ一度だけでやめておこうと思うのだが、ロイの手管が巧みなのと、エドが若くて羽目を外しやすい事が重なって結局失神しかかるまでやってしまう。余韻が残っている今はいいが、後で薬を塗って鎮痛剤を飲まないと、腰が痛くて眠れない夜になるだろう。
(大人なら手加減してくれりゃいいのになぁ)
 少しロイが憎らしい。大人の性欲を甘く見るなとロイに笑われたのが悔しいから、我慢しているが抱かれる負担は結構辛かった。
 だが、離れようとするロイの腕を何度か掴んで機会を逸したのは自分の方だ。快楽に押し流されやすい自分の体を恨んでも仕方がない。
 それに重くはあるが、何となくロイのぬくもりと体重が気持ちよくて押しのける気になれなかった。
 この男が嫌いなら、何とも思っていないなら、さばさばと立ち上がり、服を引っかけて出ていけば済む事だ。性交でなく『排泄』だの『自慰の助け合い』だと言い切ればいいのだ。
 男同士なのだから。
 そうなのだけど。
 セックスしている間は意味なんかないと快楽に溺れながら、こんな少しの体温で揺れてしまう。それがまだ大人になり切れてない事なんだろうか。
 女性や他の男の誰かでなく(アルだけはない。多分、絶対に、どうしても)この男と情を交わし続ける意味を何処かで探しているんだろうか。
 それこそ無意味な事なのに。
(静かだなぁ)
 ぼんやり思った。この屋敷の脇を流れる谷川の音も、結構いる筈の兵士達のざわめきも何故か聞こえてこない。まるで二人して湖の底にいるようだ。
(変なの)
 単に疲れて、知覚が馬鹿になっているのだろうか。荒かった二人の呼吸も今は殆ど聞こえない。
(真っ昼間から何やってんだろうな、俺)
 こんな仕事は早く終えて、アルの所に帰りたかった。アルが一人でどうしているか思うたび、エドは心許なくなる。国中あちこち旅をした。何処もかしこも探した。それでも見つからない。二人で並んで歩く時、宿で夜を過ごす時、やるせなさと孤独で一杯になった。
 俺達、まるで世界で二人きりみたいだなぁとアルに何度も言った。そうだね、とアルは淋しそうに笑った。近くにいるのに遠いねと、感じないだろうにエドの腕や手を何度も触った。
(静かだなぁ)
 エドはもう一度しみじみと思った。何となくアルとの時間を思い出した。
(もしも)
 ロイの黒い頭を見た。
「もし……あんたと世界で二人きりになったら」
 ロイは目だけ上げて、エドを見た。探るようなまなざしにエドは当惑する。ロイは不意に体を起こして、横になった。体温と重みがなくなって、エドはほんの少し物足りなさを感じる。
「何だ、急に」
「え?」
「君らしくない言葉だな」
「そっかな」
 エドは肩をすくめた。
「二人きりになったら…で、どうするんだ、君は?」
「え?」
「その先は?」
 エドはほんの少し惚けたような顔でロイを見た。
「さぁ、言ってみただけだから」
「考えてみないのか?」
 ロイの笑みにエドは戸惑った。ロイとの関係はいつだって刹那的なものだった。
 情熱。沈静。焦燥。情熱。ほぼこの繰り返しが続いている。その先なんて考えた事はない。だって、考えたらいけないような気がする。別 のものが生まれるのが怖い。いや、心の中に隠れているものを見つけてしまうのが恐ろしい。
 だって------。だって、それは。
「さぁ、どうでもいいじゃん、そんな事」
 エドの指は毛布を少し弄んだ。
「それよか早くここの仕事を終わらせようぜ。俺は早くアルの所に帰らないといけねぇんだから」
 ロイの口元が嗤った。
「君の癖だな」
 エドは眉をしかめた。
「困ると何かをいじったり、弟の事を持ち出す」
「なっ……俺は逃げたりなんか…」
「さっきの言葉も弟の事を考えていたからだろう、鋼の。でないと、君が私にそんなロマンティックな事を言ってくれる訳ないからな」
 図星を突かれるとエドは反撃できない。天才で機転もきくが、裏表がなさすぎる。沈黙を答と受け取って、ロイは苦笑した。
「だが、口にしたという事は、そう思ったと受け取るが構わないか? 私とそうなりたいと」
「え…………」
 エドは思わず絶句した。世界で二人きり。そんな事を考えた? よりにもよってこの男と? 大嫌いで馬が合わなくて、憎んだ事も憤った事もある。大人の道理を通 されて理不尽さに何度歯噛みした事か。お互い利用し合う。それ以外何もない。
「冗談言うなよ! 俺がここにいるのはアルの為だ。石の事が知りたいからだけだ。あんたと二人だけなんてゴメンだね。さっさとアルを探しにいくさ」
「それこそ君らしい返事だ」
 ロイはニコリともせず、エドを見つめた。エドは気まずい気分でその真顔を見返す。いつもの答なのに、何でこんなイヤな気分になるんだろうか。
 まるで嘘をついた後みたいに。
「なら、それでいいだろ」
 エドは投げるように呟いた。何で「二人きり」なんて口にしてしまったのか。ロイが言葉尻を捕らえる男だと解っている癖に。
「残念だな」
 ロイはポツンと呟いた。
「え?」
「私はそれでもいいかと思ったんでな」
 エドは心からイヤそうにロイを見つめた。
「正気かよ、あんた。俺があんたの事、大嫌いだって知ってるだろ?それでどーしてそんな事言えるんだよ」
「今更だな、鋼の。そんな言葉で私が傷つくとでも思っているのか?君の気持ちがどうあれ、君はさっきまで私の下でさんざん喘いでいたし、嘘一つつけない。そういう人間といるのは楽だ。何も隠さなくていい。
 君は好きなだけ私を憎んでいればいい。この状況も君自身も無理に変えようとも思わないしな」
 ロイの目にふと戸惑った光が浮かんだ。目がエドから逸れて、数度瞬きをする。
 やれやれと呟いて、ロイは天井を見上げたまま、髪を掻き上げた。
「困ったな、どうやら私は思った以上に君が好きなようだ」
 ゆっくりと伸びてきた手に頬を撫でられて、エドはその優しい感触と言葉に茫然となっていた。


 好き?
 この男が俺を好き?
 百編も嫌いだ、大嫌いだと叫んでいるのに、拒絶してるのに。


「な…何で、そんな事言うんだ…よ」
 「君の言葉を嬉しいと思ったんだ。私だって弱っている。今、気付いた」
「……ふざけてんだろ」
「生憎そうできたらどんなにいいかな」
「嘘だ、そんなの。あんたなんて自分勝手で俺を振り回してばっかじゃん!」
「だから、君にもそうしろとは望んでいない。勝手に思っているだけだ」
「ふざけてるって言えよ!いつもみたいにさ」
 エドはロイにのしかかった。
「俺をからかってるって。信じたのか、鋼のって言えよ! 俺を手玉に取れよ。本気でなんか扱うなよ。こんなの遊びだって、嘘でもいいから言えよ! 俺を子供扱いして、嗤ってろよ。
 あんたらしくねぇよ。俺に好きなんて言うなよ! 今までいっぺんだってそんな事言わなかったじゃねーか。気色悪いんだよ!
 だって」


 信じたくなる。心が乱れる。

 好き。

 その一言だけで胸が轟く。痛む。ズキズキする。
 守っている砦が破れそうになる。
 これだけはと守っているものが。


「俺はアルの為に生きなきゃいけないんだ! アルの事だけしか考えちゃいけないんだ! 俺の中に踏み込むなよ! 俺は逃げられねぇんだよ。戦わねぇといけねぇんだよ! あんたの事でグラついてられねぇんだよ!」
「鋼の!」
 ロイはエドを抱き締めた。エドは俯いて喘いでいる。ロイを押しのけようと必死で藻掻いたが、彼は離さなかった。全く……と、呟く。
「君は呆れる程に子供だな。君に答なんか望んでいないと言っただろう。君を追いつめるつもりはない。どうだっていい関係だと君が言い張りたいならそれでいい。変わらないでいい。君はそのままで。
 君は嘘がつけないと言わなかったか? 私の事も、弟の事も私が察してないと思うのか? 言わなくていい。もう答は出ている」
「そんなの……」
 エドは首を振った。言葉を受け流せる時と、出来ない事がある。好きだと告白されて、それが砦の鍵になってしまう事をこの男には解らないのか? 変わらないでと言われても、砦が一端開け放たれれば、後は侵入が始まってしまう。略奪と炎上が始まるのだ。
 恋という名の。

「知らない顔して、あんたの前に立てる程、俺は器用じゃねぇんだよ」
「それならそれでいいだろう。そういう顔をして立ったらどうだ。私は楽しいね」
「からかってんのかよ」
 エドの声が険悪を帯びる。ロイは笑った。
「変わったなら仕方がないじゃないか。人間は感情の動物だからな、君は特に。
 それに逃げる事がそんなに駄目か? 逃げたらいいだろう、たまには」
 エドはロイを睨んだ。エドは逃げる事が怖かった。一度でも逃げたら立っていられなくなる。今までそれでやっとここまで来れたのだ。彼の重荷を知っていながら、どうして大佐はそんな事が言えるのか。
「逃げたら、負け癖がつくからな。あんたみたいな大人になりそうだ」
「やれやれ、これでも大人は逃げられない事ばっかりなんだがね」
「嘘つけ、負け犬」
「口が悪いな、鋼の」
 ロイはエドに口づけた。舌を絡めて、言葉をなくすまでエドの口を封じ込む。
「…常に退路を確保しておけ」
 ロイはエドの耳元で囁いた。
「え?」
「戦場で叩き込まれた生き延びる為の鉄則だ。戦場はイシュヴァールだけじゃないぞ、鋼の。何処でだって通 じる。人生でも」
「人生訓かよ、ジジ臭ぇ」
 ロイは苦笑した。
「人間は一杯一杯では生きられん。強い鋼も純粋である程折れやすい。金属錬成の得意に君に講釈を垂れる気はないがね。君の鋼には粘りが足りない。君の鋼の中心には『弟』が座っているからな。
 それは確かに強靱かもしれんが、一歩間違えば砕けるぞ。君が軋む時は弟も軋んでいる。君が弟の事を持ち出す時、私はその音を聞く。やり切れないのさ、その音が。きっと君の弟もその音を聞いている。
 だから、退路を確保しろ。逃げ場を作っておけ。その方が弟も負担が少ない」
「……………」
 エドはロイを見つめた。逃げない。前に進むだけ。それで必死に足掻いてきた。それは間違ってはいない、と思う。今も。11歳のガキがあの時から現在に至るまで出来る事はそんな事くらいだったのだ。
 でも、それは何処か歪んでいて、無理もあって、それが重荷になって、鎖になっている事も知っている。自分の熱意がアルを傷つけている事も。だからといって、どう変える事も出来なくて、矛盾の中で生きていくのも仕方がないと思っていた。
 この男と快楽と退役だけの行為に耽るのも、きっとそんな路線で生じた醜いあぶくみたいなものだろう。塹壕の中で兵士達が気晴らしにやる賭事や妄想みたいに。
「出来ない……出来ねぇよ、そんなの。俺だけ出来るかよ。じゃあ、アルはどうすんだよ。どうなんだよ。いつは何も出来ないじゃないか。逃げられないじゃないか。俺だけ逃げて、アルは…」
「弟はどうでもいい。君の話だ、鋼の」
「どうでもよかねぇよ。うるせぇんだよ!あんたにはアルなんてどうでもいいかも知れないけど、アルは俺にとってたった一人の……!」
「恋人か?」
「ちが……っ!」
 ロイは肩をすくめた。エドの顔が赤くなる。指が痛いほどロイの肩に食い込んだが、彼は意にも介さなかった。
「いや…『触れ得ざる者』かな? 君がそうせざるを得ない気持ちも解る。
 だが、弟も君に祭壇に祭り上げられたくはないだろうし、彼は彼なりに逃げ場を見つけるだろう。君が思っている以上に彼はしたたかだし、『人間』だからな」
「………弟離れ、しろって事か?」
 エドは鼻で笑った。
「難しいだろうな、君には。
 でも、生きる理由はともかく、死ぬ理由を弟のせいにするなよ、鋼の。それはアルフォンスを守ったとは言えない。ただの殉教だ、君だけの為の宗教の。そんな生き方では弟は君の後追いをするぞ、必ず」
 ロイはエドから体を離し、煙草に手を伸ばした。エドは茫然としてへたり込む。
 違うと拳を振り上げたかった。だが、身動きも出来ないのはロイの言葉が核心を突いているからだ。エドが生きていく理由、生きている理由、アルを苦しめている理由。それは全部そこから来ている。
 だけど、神などいないと知った今、祈っても通じないと解っている罪人が、何かにしがみつく強い意志は何かに変換されなければならない。心はそういう風に出来ている。
 それを引っくるめて、内包して、昇華できるなんて、まだ出来ない。そんな懐の広い大人ではない。
「じゃあ、どうしろってんだよ、俺に! どうやれってんだ!
 あんただってそんな器用じゃないじゃんか。逃げ場なんてないじゃんか。あんたの方がよっぽどキツそうに見えるぜ。あんた、部下の他に他人を信用してんのかよ!」
 ロイの口元が微かに歪んだ。エドはその笑みを憮然と見つめる。
 同じなのだ、彼も自分も。


「こういう時、嘘をつかない君を絞め殺したくなるな」
「お互い様だろ?」
「全くだ」
 ロイは紫煙を吐いた。
「私にはもう『退路』はない。天罰を喰らった。おかしなもんだ。何が一番ダメージを喰うか自分が解ってなかったとはな」
 ロイは煙の先が空に消えていくのを見つめた。自分が焼け死ぬか、射殺されるか、政治的に抹殺されるか、そのどれかだろうと推測した。だから、人材を集め、防備して、抜かりはないと思っていた。
 あのたった一本の電話がかかってくるまでは。

「君は、いい。まだ『退路』がある」
 エドはロイを見つめた。
「それって、アル?」
「さぁな」
「それとも、ウィンリィ?」
「かもな」
「そこにあんたも入れろって?」
「おや、そこまで自惚れていいのかな?」
「知らねぇよ、バカ大佐」
 エドはそっぽを向いた。
「大体、そこにアルを入れたら変だろ? 退路は…」
「弟は君の全てだ。除外はできんだろ。君を悩ますのも、支えるのも全部同じ所から出ている。弟の腕は刺すように冷たいが、君にとって一番暖かい場所じゃないのか?
 逃げるのもいいが、道はいずれそこに還ってくる。まぁ、ガツガツ一直線に走る時より、穴や小石があっても避け方がうまくなるかな」
「似合わねぇ」
「ん?」
「あんたのそんな物言い。それも、退路ってのも全部その人に教わった事?その人の言葉?」
「…………………ああ」
「戦場で?」
「戦場でも、士官学校でも、職場でも、いつも」
「そんな大事な言葉を俺にくれてもいいのかよ。もうあんたには……」
 ロイの腕がエドを引き寄せた。
「あいつは怒らないだろうし、私はもっともっと一杯持っている。それにそれを分けてやれる程には、君を好きだと言ってるんだがね」
「…………」
 エドはロイを見つめた。たまらなくなって、ロイの胸に縋り付く。憎らしい。この男が胸が裂ける程、憎らしい。この暖かい胸が悔しい程、愛おしい。
「あんた、卑怯だ。クソ大人。死んじまえ、狗!」
 ロイは溜息をつく。
「全くかわいくないな、君は。これでも本気で口説いてるんだがね。少しは俺も好きだと言ってくれないかな」
「今際の際に言ってやる」
 エドはそう吐き捨てて、ロイの口に口づけした。

エンド


『常に退路を確保しておく』は私が学生生活で得た結論かも。
もっとも、私はエドやロイみたいに強くないので、このようにだらしない大人です。  

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